2017年度

第3回ホームカミングデー、OB・OG講演会

    昨年に引き続き、今年度もヴェリタスOB・OGの先輩方による講演会を開催しました。今年は、建築、報道、医療の世界の第一線で活躍されている先輩方をお呼びし、ヴェリタスにいた頃の学びが将来にどう繋がっていったのかという、「今のヴェリタスでの学び」「社会とのつながり」について、語っていただきました。
 また、学生にとってより身近な先輩である現役大学生からの大学生活に関する話の場も併せて持ちました。オープンキャンパス以上に率直で、より具体的な生の声が聞けたのではないかと思います。      ※昨年のホームカミングデー、OB・OG講演会の様子はこちら



   

・開催日時 2017年5月28日(日)13:00〜

・開催場所 ヴェリタス2号館3階 第7教室

・参加費  無料

・参加資格 会員・講習会員・卒業生
        (上記の同伴を得られる方、参加者1人につき2名まで)


  4期生 正司俊博(千葉県救急医療センター)

 医師の仕事には臨床と研究という二つの大きな軸がある。どちらかというと卒業生でも臨床を主とする医師の道に進む人が多い印象だが、逆に正司さんは研究の面白さを語っていらした。大体のやることというのが決まっている臨床に対し、研究というのは日常の臨床と違うもの、新しいものに出会えることが醍醐味であると。
 ただ、その中で楽しいだけが、研究という道を選ぶ動機になったのではないようだった。正司さんがおっしゃった中で印象的だったのが、研究というのを続けていく上では、自分が楽しくなければ続けられるわけがない、かといって、理想だけを追いかける実現しそうもないことを続けるのは意味がない、どの場面でも、何かを決断するときに、
 1)実現できる可能性はあるのか
 2)楽しそうか、自分に合うのか
 3)その結果、自分の可能性を広げられるか
の3つを考慮すること、その中で自分の進路を選択していくこと、高校生にとって、これからの進路をどのように決めるのか、参考になった視点のようだった。

  7期生 宇治野壮歩(長島・大野・常松法律事務所)

 弁護士という仕事にどれだけのリアリティがあるだろうか。宇治野さんも、実際高校生で法学部を受けるときに身近に弁護士がいるわけではなく、どんなイメージか高校生に伝えたいということで講演してくださった。
 弁護士といっても六法全書を隅から隅まで覚えているわけではない。むしろ、裁判や紛争で決着が着くのは六法全書以外の部分であり、それよりも法律をどう解釈するか、事実をどう認定するのか、それが弁護士の大切な技能であると宇治野さんは語っていた。例えば新しいビジネスの時に契約書というのを作成する、この際にも弁護士が活躍する。契約書では、契約期間の間に起こりうる事態を予想し仮説をたて、その事態に対する対処を条項として明確に矛盾なく書き出し、そしてその条項が法令に違反していないようにせねばならない。そこで大切になってくるのが法律をどう解釈しているか、どう理解しているかである。
 法律は具体的過ぎては色々な事例への適用ができないため、抽象的に書かれている。しかし、それゆえ解釈が1通りに定まらない、また他の法律と一見矛盾するものも多くあるという。その部分を弁護士が「わからない」では済ませられないため、単に現行の法律を解釈するだけでなく、その法律がどう作成され、どう変更され、そしてその際にどういう議論があったかという、背景や過程まで調べて、ようやく法律の解釈というのが成立する。わからないことを粘り強く調べ、考え続ける姿勢が弁護士には欠かせない、そう語る宇治野さんが印象的だった。
 ヴェリタスの高校生も、普段から時間的な流れを追いながら解釈し学んでいくことが、法律というところでも大事になるということ、また弁護士という普段の仕事の中に、与えられた情報から仮説を立てて説明すること、今の学びがそのまま活きていることに驚いているようだった。

  11期生 根本涼(大手新聞社)

  根本さんの1日の例を見た学生から、こんなに予定がびっちりで心が休まる時間はあるのですか、との質問に対し、何より仕事が面白いので苦ではない、と語っているのが印象的であった。記者は日々起こる様々な事件や事柄にアンテナを張り、色々な人に取材に行く。大学の教授、政治家から普通の主婦にまで。根本さん曰く、名刺を見せてどんな人にでも話が聞けるというのは記者の特権であるという。
 ただし、単に聞くというだけで記事は生まれない。起きていることを一早く正確に伝えること、何が問題になっているのかをわかりやすく伝えること、誰も知らないことを世に出し伝えること、この3つが記者の仕事であり、そのためには、一つ一つの取材の中で「謙虚」でいること、自分はあくまで専門家ではない、だからこそ知ったかぶりをせず、疑問を持ち自分で仮説を立てて、また聞き続ける姿勢が一番必要であるということを語っていらした。
 根本さんがヴェリタスにいた時の話を聞き、その真摯に聞くという姿勢、というのはヴェリタスで培われたものであり、とにかく聞き続けることでこそ、ヴェリタスで得られるものは大きくなる、この言葉に生徒はとても納得している様子だった。

  大学生講演(国立理系・国立医系・私立医系・私立文系)


  座談会


  懇親会


  参加した生徒たちの声 〜講演から何を学んだか〜
  • 医師はなってからが大変とよく聞きますが、日々自分の力が試されている感じ(センター・二次風に例えられていてわかりやすかった!)なんだなとわかり、大学受験は通過点でしかないんだなと思いました。いろいろなタイミングで自分の将来の方向性を決めねばならないのも辛そうと思いました。
  • 臨床だけでなく、わからないことだったりをテーマにして研究することも大切なんだなと思いました。
  • 法律だけではダメで幅広い技能が求められ、弁護士の活動の幅広さにも驚いた。だからこそ、学び続け、想像力を大事にすることが必要なんだと思いました。
  • 弁護士に必要な情報を様々な形で扱う能力は大学受験をする際にも必要な能力と同じなので、そういうところを意識していこうと思った。
  • 私も一つのことを様々な視点から見られるようになりたいと思った。
  • 弁護士は一つの問題について、とても細かく考えられる必要があると思った。また自分側だけでなく相手側のことを考えることも大事なので、自分のできることを多くする必要があると思った。
  • 新聞記者というと本当に忙しそうなイメージがあったのですが、話題のニュースの最前線に入れることは楽しそうだなと思いました。又、疑問を明らかにするというのはとても大事なことだと思いました。
  • 一つの問題について、いろいろな視点から見るのが大切。どの仕事も、色んな教科の知識が必要になってくる。
  • 記者になる上で重要なことのリストアップを見て、勉強をする際に先生たちから言われていることが含まれていて、大学合格だけでなくてその先も仕事をする上で生きてくるとわかりました。
  • 新聞記者の方々は正しい情報を一早く私たちに伝えることで安心を与えたりしようというモチベーションを持っている職業なのだと知ることができました。また「記者は専門家ではない」からこそ、私たちと同じ目線で多くの仮説を立て、取材することで、詳しく理解しやすい記事をつくってくださっているのだと思いました。
  • 大学に入ってから時間は限られているから、やりたいことは中途半端にしないことが大事だと感じた。
  • 「メリハリが大事」という話で、わたしは今の時点でそれができていないと思いました。今からしっかりしないといけないと思います。
  • 記者に大切な、鳥の目(上から)虫の目(下から深く)魚の目(流れを読む)、物事を客観的にいろんな視点を持つことを持つことは、大事だなと思いました。
  • 「循環器内科」が何かすら知らなかったので、その点について知れた。
  • 一般的に言われていることを自分だけで解決するのではなく、周りと議論することが大切なんだと思った。




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